クスコ市街地から約30km、標高3400mにあるインカ時代の遺跡「Tipón (ティポン) 」。本来はケチュア語で「Tinpui (ティンプイ・沸いてくる水) 」と呼ばれていたらしい。それが訛ってティポンになったんだって。「水の遺跡」と言われるとおり、階段状の広場の横には 見事な水路が作られている。
平地を流れる時は静かに、滝部分では勢い良く音を立てる水。水が流れてるのに音がしない=水路に障害となる凸凹がない、という事。計算しつくした傾斜角度、滞る事なく滑る様に流れる水。 お見事。
遺跡のあちこちにあるインカの石の階段 (壁の側面に出っ張った踏み石の部分)。大掛かりな段を作るより簡単で効率的に上り下りできる。
隙間なく、正確に組まれた石組み。
あんな山の上にも 砦の跡がある。星を観察してた? それともティポンを見守っていた?ガイドは瞑想の場所だって言ってた。色んな事を想像しちゃいます。以前、「上まで45分だよ」と言われて挑戦したガイド、でも登るのに3時間かかったって怒ってた(笑)そりゃー あんなてっぺん、休憩せずには登れませんよー
セレモニーに使われたという場所。左右に人が座れる程度の凹みがあって、ここで儀式をしたとか。このあと、ティポンで一番重要といわれる場所へ。
4本の小さな滝。水はここから 階段状になったティポンの水路に流れていく。
4本の滝を上から見ると、水路が下手 (写真左) に向かって扇状に広がってる。なんて細かい仕事なんだ!
4本の滝の上には2本の水路が。
そしてそして、ここが源泉。写真じゃ分からないけど、底から水が沸いてたまに小さ~な泡が浮き上がる。「昔はもっともっと泡が出てきて、その音がTinpui (ティンプイ・沸いてくる水) の語源になったのよ。」というお話でした。なんかすっごく納得♪
「トウモロコシを作ってた」とガイドは言うけれど、トウモロコシの為に、こんなにすごい畑を作るのだろうか?もちろんインカの時代、トウモロコシは聖なる酒「チチャ」の原料として重用されてきた。神に捧げるためだけの畑があっても おかしくはないけどね。もしくは農業試験場的な場所だった?トウモロコシ、麦、セバダ (大麦) 、アバ (ソラマメ) 、キヌア・・・今でも高度にあわせて、色んな作物が作られている。うーん、本当にここはなんの場所だったのか?気になります~
さて、3時間かかる山にはとても行けないので、反対側の丘に登ってみる事に。見下ろせば何てきれいな段々畑!
こんな神殿跡もあります。ガイドの言うとおり生贄の儀式があったとすれば、やはりここは神聖な場所って事になるね。
この丘にもインカの水路があった。もう涸れてしまってたけど・・・
夕刻になり、稜線が影を落とし始めるアンデスの谷。急に気温が下がってくる。さて私たちも帰りますか! とーっても満足した遺跡でした♪