4月2日、ペルー中央準備銀行(BCR)はコレクション用1ソル硬貨「ペルーの富と誇り」シリーズ第16弾を発表した。今回は首都リマを抱えるペルー中部リマ州北部のスーペにあるおよそ5000年前の遺跡、2009年にユネスコの世界遺産にも登録された「カラルの聖なる都 (カラル遺跡)」が硬貨のモチーフとして採用された。
カラルの聖なる都
カラル文明(BC3000~1900)は、旧世界におけるメソポタミア、エジプト、インド、中国の各文明と同時期にアメリカ大陸で形成されたものだが、知識や経験の交流があった四大文明とは異なり、それらとは完全に隔絶された環境で早期の発展を遂げた。
官民分担の社会運営、農業と漁業の相互補完による食料の確保、天文観測による天候の予測、耐震工学の応用、音楽と労働の融合など、社会組織化、文化的表現、知識や技術においてカラルが到達した複合的な文明は、幾千の暗示的なメッセージを今に伝える建造物や道具の数々により明らかになっている。
カラル文明は、太平洋岸からアマゾン川流域、エクアドルやボリビアに至るまで、平和的な物々交換を通じ資源を管理していた社会・政治体系の下、組織化された民衆の労力によって生まれた。
(Ruth M. Shady Solíz筆 / 中央準備銀行サイトより引用)
新硬貨の発行枚数は通常通り1千万枚で、2日から市場に流通している。尚、過去に発行された同シリーズ記念硬貨は次の通り。
1. 黄金のトゥミ (ランバイエケ州)
2. カラヒアの石棺 (アマゾナス州)
3. ライモンディの石碑 (アンカシュ州)
4. シユスタニ石塔墳墓群 (プーノ州)
5. サンタ・カタリナ修道院 (アレキパ州)
6. マチュピチュ遺跡 (クスコ州)
7. グラン・パハテン (サン・マルティン州)
8. サイウィテの石 (アプリマック州)
9. レアル・フェリペ要塞 (カリャオ特別州)
10. Templo del sol (アヤクチョ州)
11. クントゥル・ワシ遺跡 (カハマルカ州)
12. ワイタラ神殿 (ワンカベリカ州)
13. コトシュ遺跡 (ワヌコ州)
14. パラカスの工芸織物 (イカ州)
15. トゥナンマルカ遺跡 (フニン州)