9月12日、ペルー中央準備銀行(BCR)はコレクション用1ソル硬貨「ペルーの富と誇り」シリーズの第14弾を発表した。今回はペルー中西部沿岸イカ州、古代パラカス文化の美術品である「パラカスの工芸織物」がモチーフにされた。
パラカスの工芸織物
パラカスとは、イカ州ピスコ港の南に位置する同名の半島において、紀元前500年から紀元100年頃にかけ栄えたペルーの主要な古代文化の名称。ケチュア語で「強い風」を意味する「paraqa (パラカ)」からその名が付けられた。
1925年に一帯の調査を開始し、この文化の発見者となったのはペルーの考古学者フリオ・C・テーヨである。同文化の黎明期を Paracas Cavernas (パラカス洞窟期)、晩期を Paracas Necrópolis (パラカス墳墓期)と称する。
古代パラカスの人々は卓越した織りの技術を有し、アルパカやビクーニャなどのラクダ科動物の毛と綿糸を組み合わせて織る交編に長けていた。多彩で美しい装飾を用いた高度な織りの手法を活かし、世界でも類を見ない作品の数々を産み出している。
彼らはまた、土器を作り農業と漁業を生活の糧とし、呪術あるいは治療目的とされる頭蓋変形および穿孔の技法を実践していた。
カルメン・テレサ・カラスコ・カベーロ
ペルー国立考古学人類学歴史学博物館
(ペルー中央準備銀行サイトより引用)
同記念硬貨の発行枚数は1千万枚。ようやく折り返し地点を通過したこのシリーズ、今までに発行された硬貨は以下のとおり。尚、ケース入りの同硬貨は定価2ソレスで販売される(販売時間: 8:15~15:00)。
1. 黄金のトゥミ (ランバイエケ州)
2. カラヒアの石棺 (アマゾナス州)
3. ライモンディの石碑 (アンカシュ州)
4. シユスタニ石塔墳墓群 (プーノ州)
5. サンタ・カタリナ修道院 (アレキパ州)
6. マチュピチュ遺跡 (クスコ州)
7. グラン・パハテン (サン・マルティン州)
8. サイウィテの石 (アプリマック州)
9. レアル・フェリペ要塞 (カリャオ特別州)
10. Templo del sol (アヤクチョ州)
11. クントゥル・ワシ遺跡 (カハマルカ州)
12. ワイタラ神殿 (ワンカベリカ州)
13. コトシュ遺跡 (ワヌコ州)